教育プログラムEducation program

豊富な指導医・関連病院・症例数に裏付けされた最高レベルの専修医・専門医教育を受けられる場が、この慶應義塾大学耳鼻咽喉科学教室です。 確かな知識・技術を持ち、患者さんの心に寄り添うことのできる、真の実力がある耳鼻咽喉科専門医育成を目指しています。

当教室の教育体制について

専任講師(専修医研修医担当主任) 大石 直樹

 当教室に興味をお持ちいただいた研修医のみなさん、医学生のみなさん、はじめまして!
 私たちは、お互いが切磋琢磨し、日本で最高レベルの医療を提供することを目指して日々努力しています。 専修医教育につきましても、教室全体で責任を持って最高レベルの教育を提供できるよう努力しています。ここでは当教室の教育の特長について述べたいと思います。

 私たちの教育目標は、「真の耳鼻咽喉科専門医を育てる」ことです。 具体的には、「医師力」「外来力」「病棟力」「手術力」「学術力」をバランスよく育てることを目指しています。
資格的な意味だけでなく、どんな場面でも対応に困らないバランスのとれた専門職として、真の意味での耳鼻咽喉科専門医を、責任もって育てています。



 「医師力」のある医師とは、技術・知識のみに立脚するのではなく、常識のある一社会人として正しい態度を身につけ、 患者さんに敬意を持って接する診療姿勢を持つ医師のことです。このような態度は一朝一夕で身に付くものではありませんが、 当教室では皆がそのような医師像を目指して努力しています。

 「外来力」のある医師とは、耳鼻咽喉科診療の中でもっとも重要な外来診療をしっかりと行える医師のことです。 感覚器障害を持った患者さんの痛みを汲み取り、自らの知識・技術・経験に照らし合わせて、 耳鼻咽喉科専門医として責任を持って診療を行えるよう、私たちは皆が努力しています。

 「病棟力」のある医師とは、術前術後、急性期疾患、頭頸部癌、などをしっかりと診察できる医師のことです。 幅広い対応能力と適切なコンサルテーション力を持つことができるよう、皆が努力しています。

 「手術力」のある医師とは、手術の適応を的確に判断し、正確な手術解剖の理解に基づいて、的確に技術を行使できる医師のことです。 手術は患者さんへの侵襲を伴い、術者は真摯な気持ちで手術に臨む必要があります。私たちは、どんなに経験を積もうとも、 その気持ちを忘れずに、手術の成績向上に向けて努力しています。

 「学術力」のある医師とは、文献に則した臨床知識を身につけ、学会発表・論文作成力を持った医師のことです。 私たちは「アカデミックサージャン academic surgeon」を目指して、努力しています。

 具体的にどのような専修医教育のロードマップを描いているか、ご説明いたします(下図)。
 耳鼻咽喉科専門医は、丸4年間の耳鼻咽喉科研修施設での研修を経たのち、5年目に受験資格を得ます。 その4年間のうち、通常は半年から1年間を慶應義塾大学病院で、残りの3年から3年半を教育関連病院で、研修を行います。
医師学年 勤務 備考
初期研修医1年目    
初期研修医2年目   入局試験
専修医1年目 慶應義塾大学病院勤務 慶應病院での勤務は半年間あるいは
2~3年目の場合もあります
専修医2年目 関連病院①勤務
専修医3年目
専修医4年目 関連病院②勤務
専修医5年目 専門医試験
耳鼻科専門医1年目 慶應義塾大学病院助教 各研究班に属し専門を持ちます
耳鼻科専門医2年目
耳鼻科専門医3年目
 慶應義塾大学病院では、多くの個性豊かな指導医から多くのことを学ぶことができ、 主に「医師力」「病棟力」「学術力」を鍛える場所となります。 当教室の特長の1つが「面倒見の良い若手助教たち」です。専門医をすでに取得し専門領域を持ち始めた助教たちが、主体的にそしてとても丁寧に、 専修医への直接の教育を担当しています。ぜひ当教室の見学を通じて、元気な助教たちの生の声、雰囲気に触れてください。 専門医を取得した助教たちがとても伸び伸びと学び、成長し、楽しく働いている姿を見ていただけたらと思っています。
 慶應義塾大学病院外での専修医教育は、教育関連病院で行われます。極めて症例豊富な教育関連病院での研修は、 当教室最大の特長です。 年間500例前後の手術件数を誇る、地域医療の中心を担う病院が多数あり、臨床力の高い医長・部長の下で、豊かな経験を積むことができます。 敢えて表現するなら、「外来力」「手術力」を学ぶ場所といえるでしょうか。

  当教室は、慶應義塾大学病院にすべての症例を集めるような体制ではなく、それぞれの主要な教育関連病院が責任を持って臨床を行っています。 そのため大学病院での手術件数などは一部の大学に劣りますが、教育関連病院を含めた教育体制は日本で随一であると自負しています。 また教育関連病院出向中も、学術講演会クルズスなどを通じて、教育を受ける機会が多数あります。
 慶應義塾大学は、私学にして大学病院が本院しかない、稀な大学です。大学病院ではなく、質の高い教育関連病院での研修ができるメリットは多数あります。 たとえば、大学のように大人数での勤務ではないため医員1人1人の経験症例数が必然的に多くなります。そして勤務先の病院でしっかりとした待遇を受けられるため、 外勤に行く必要がなくすべての時間を自分の研修に集中することができます。この素晴らしい教育体制を活かし、研修を積んでいけば、 専門医を取るころには日本で最高レベルの専修医となることができます。

 一方で、当教室は、それぞれの専修医の個性に配慮し、希望に応じた研修コースをテーラーメードで作成しています。 当然、出身大学や男女で研修内容に差がつくことはありません。身につけるべき手術内容はある程度卒業学年によって決まってきますが、 専修医の個性を無視して「何年目までにどこまでの習得」と杓子定規に決めることはありません。熱心に学ぶ人はどこまでも伸びることができます。 一方で例えば女性医師には結婚、育児の環境に最大限の配慮を行い、最適の勤務地、勤務環境を提供できるように努力しています。 また、個人個人のやる気、能力が異なることはもちろんですので、専修医の皆さんの習得状況に応じて研修先を考慮します。 技術や知識の習得が十分でない場合には、様々な上級医が丁寧に面倒をみて、専門医取得までの学習を手助けしています。 私たちは、「医師力(人間性)が第一」をモットーに、教育しています。知識・技術は時間をかければいくらでも教えることができるのに対し、 「医師力(人間性)」を教えることが一番難しいからです。

 当教室の小川教授は、専修医の個々の事情に対して配慮をしてくださる素晴らしいリーダーです。 いままで述べたような個々に配慮した研修体制をとっている医局は、他にはないのではないでしょうか?

 専修医教育期間は、専門医を取るまでのとても重要な期間です。当教室は、他大学・病院で研修をしていた専修医の中途採用も比較的多いのが特徴でもあります。 実際に専修医となった方々にも選んでいただけるだけの環境を提供することができていると、自負しております。 研修医、また医学生のみなさんは、少しでもご興味があれば、ぜひ一度見学にいらしてください。私たちは、患者さんへの医療を第一に考え 、医師として人間として成長できる場を提供し続けることを目指して、教室員全員が努力しています。

 多くの新しい仲間を迎えられたらうれしく思います。私たちは、責任を持って皆さんの面倒を見ます。
一緒に働ける機会を楽しみにお待ちしています。