腫瘍医学Oncology

スタッフ


小澤 宏之Ozawa Hiroyuki
専任講師、診療副部長
卒業年度:1998年
専門:頭頸部癌、頸部腫瘍、頭頸部外科学
関水 真理子Sekimizu Mariko
助教、研修医・専修医担当
卒業年度:2004年
専門:頭頸部癌、頭頸部腫瘍
猪狩 雄一Ikari Yuichi
助教
卒業年度:2007年
専門:頭頸部癌、頭頸部腫瘍
斎藤 真Saito Shin
助教
卒業年度:2008年
専門:頭頸部癌、頭頸部腫瘍
中原 奈々Nakahara Nana
助教
卒業年度:2007年
専門:頭頸部癌、頭頸部腫瘍
藤井 正人Fujii Masato
客員准教授、永寿総合病院 耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍センター センター長
卒業年度:1977年
担当:頭頸部腫瘍外来(水曜日午前月2回)
今西 順久Imanishi Yorihisa
非常勤講師、川崎市立川崎病院 耳鼻咽喉科部長
卒業年度:1991年
担当:頭頸部外来(土曜日午前月1回)
冨田 俊樹Tomita Toshiki
非常勤講師
卒業年度:1993年
担当:頭頸部腫瘍外来(火曜午前月2回)
渡部 佳弘Watanabe Yoshihiro
非常勤医師、済生会中央病院耳鼻咽喉科 医員
卒業年度:2004年
担当:頭頸部腫瘍外来(水曜午前月1回)

特 色

 頭頸部外科医として扱う腫瘍性疾患の範囲は広く、脳との境界である頭蓋底から上縦隔にまで至ります。解剖学的に複雑な部位であることから、疾患の治療に当たっては正確な知識と豊富な経験が必要です。特に境界領域では他科との連携をとることを重要視しており,気兼ねなく意見交換できる関係を構築し、チームで治療を行うことにより、安全に高度な医療を行うことを目指しています。

 頭頸部悪性腫瘍(副鼻腔癌・口腔癌・咽頭癌・唾液腺癌・甲状腺癌など)の治療に当たっては、治癒率の向上だけでなく、治療後の機能を可能な限り温存することを考えています。近年は上部消化管内視鏡機器の精度が向上し早期の咽頭癌が発見されることが多くなりました。早期癌について経口的な腫瘍切除(Transoral videolaryngosurgery, TOVS)を積極的に行い良好な術後成績を収めています。
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000228.html


 進行頭頸部癌の治療には手術、放射線治療、化学療法を適確に選択し組み合せる集学的治療が求められ、個々の患者さんに最適な治療法の決定には専門的な知識と豊富な経験が必要です。我々は各治療法の長所と短所を丁寧に説明し、個々のニーズにきめ細かく対応しています。手術ばかりでもなく放射線治療ばかりでもない、多彩な治療を行っていることが当科の最大の特徴です。
 進行癌に対する外科的治療として拡大切除・遊離組織による再建手術があります。当科では形成外科や消化器外科、脳神経外科とのチーム手術によって頭蓋底手術を含む拡大手術を行っています。
 化学療法併用放射線治療など臓器温存治療を取り入れています。正常組織の照射線量を抑えるための強度変調放射線治療(IMRT)も導入しています。また当科では古くから化学療法を積極的に導入し、現在も標準的化学療法を取り入れています。倫理委員会で承認された多施設共同臨床試験もあり、効果が期待できる患者さんには参加をお勧めしています。
 その他にも、歯科口腔外科、リハビリテーション科、消化器内科、腫瘍センター、緩和ケア科などの各診療科との間で連携し様々な疾患に対応しています。

 頭頸部良性疾患に対しても積極的に治療を行っています。耳下腺腫瘍については年間100件の手術を行っています。(詳細についてはhttp://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000226.html
 また頸動脈小体腫瘍(Carotid Body Tumor)の治療にも当たっています。頸動脈小体腫瘍は頸動脈分岐部から発生する腫瘍で、5-10%前後の症例は悪性といわれています。治療には摘出が必要ですが、腫瘍は血管に富み易出血性のため大量の出血のリスクがあります。また増大すると頸動脈全周を取り囲むようになるため、摘出時には頸動脈損傷による出血や内膜剥離による脳梗塞のリスクがあります。当院では脳神経外科、血管外科と連携を取り、より安全な方法で手術を行う体制を構築しています。


 2008年から開始した経鼻内視鏡頭蓋底手術は、脳神経外科とのチームサージェリーです。脳腫瘍のみならず、鼻副鼻腔腫瘍、錐体尖コレステリン肉芽腫、髄液鼻漏、視神経管骨折など多彩な疾患に経鼻内視鏡アプローチを適応し、良好な成績を収めています。
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/medical_info/presentation/201012.html

研 究

頭頸部癌の転移メカニズム解明とその治療に関わる研究


頭頸部癌の転移や予後に影響を与える因子について過去の手術検体を用いた解析を行っています。特に上皮間葉移行(EMT)と転移の関係について注目しています。そのなかで、シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)がEMTをコントロールしていることが研究成果で示され、 COX-2阻害薬による転移抑制の可能性についてin vitro、in vivoの両面からさらなる検討を行っています。将来的には薬剤による転移抑制や転移病変治療の可能性を模索しています。 また癌幹細胞や血管新生因子と頭頸部癌の関係についても検討を行っています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24887090
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21913013


家族性甲状腺乳頭癌の遺伝子検査


 甲状腺乳頭癌患者の5%前後に家族歴のある患者群があることが知られていますが、原因遺伝子については解明されていません。 関連病院の1つである東京医療センターとの共同研究の形で原因遺伝子の検索を開始しており、今後も関連病院と連携して家族性甲状腺乳頭癌患者のサンプルを 集めて原因遺伝子を解明していく予定です。


その他


頸動脈小体腫瘍の発症に遺伝子変異が関係している可能性があるため、原因遺伝子の解明を目的とした遺伝子検査や、これまで摘出した腫瘍を用いた腫瘍進展のメカニズムについての研究を行っています。
多施設共同研究で、唾液腺悪性腫瘍の中でも非常に予後の悪い唾液腺導管癌(salivary duct carcinoma)について観察研究を行っています。